「ハルさん」藤野恵美著、「ホテルローヤル」桜木柴乃著、「別れの挨拶」丸谷才一著、「日本史の中の栃木」栃木県歴史文化研究会編、「出訴期限」スコット・トゥロー著などです。
全くジャンルも何もなく手当たり次第に読んでます。

ご存じ、今年度直木賞受賞作品「ホテルローヤル」桜木柴乃さんです。一つ一つの短編が、過去の出来事をさかのぼって描かれています。この本の評価は、?、としておきます。
さすがに丸谷先生の該博なことには改めて驚かされます。文体の丸谷流表現もさすがに年季が入っています。実は今月13日が先生の一周忌となります。ちょうど一年前です。帯には、「文学の楽しみ、読書の快楽があふれる最後の〈新刊〉」とあります。読書にも快楽があったのです。ご承知の方は多いと思いますけど、先生は弔辞の名手でした。その弔辞はすべて一度原稿に書きあげてからお話になったとのことや、あいさつ文も同様であったことがわかります。その先生最後の挨拶文が「わが青春の一ページ」として草稿として出てきます。会の前日に書きあげていた草稿でして直後、不整脈で急逝なさってしまいます。
このエッセー集は1980年ころからの未収録作ばかりですが、丁度10年前のエッセーにて「クリムト」を取り上げています。私が気付かなかった(私の痴性では当然ですが)新たな視点でのクリムト論が出てきます。林望著「源氏物語」も俎上に載せています。
詳しくは私のへたな解説よりもご一読をと、お勧めしておきます。それにしても、嗚呼、もう一年になります。文学界の巨星でした。
スコット・トゥローは最初の「推定無罪」の出来が良すぎたかな、なんて思ってます。
以上、いささか我が道をそれていますか。
そもそも、偉そうに書いていやがる、と嫌われますか。
しかも中途半端に。しかし中途半端が私の取り柄なんです、とは開き直りも極まれりですね。何かを書き残すという作業は正直我が身の恥部をさらけ出しているようなもんです。後になって恥ずかしい思いをしたことを思い出した、みたいなものです。象徴するかのごとくオジギソウ、含羞草がいまだによく咲いてくれてます。
照れることを知らない己を笑っているようです。
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