さらに「藤の花言葉」として「恋に酔う、懐かしい想い出」とありました。なかなかに気の利いた、そして私の年代にはうれしい「花言葉」でございます。また言われそうですね。色ボケおっちゃんと。
又々さらに、ページの最下段には和歌が一首添えられております。「久方の 光りのどけき 春の日にしずごころなく 花の散るらん」と。紀友則ですね。日本人が持つ悠久の鑑賞眼、自然美に対する「もののあわれ」感をしっかりと感じさせてくれます。銀行さんのカレンダーとしては、上出来でした。
数回前の書き込みで、岸恵子さんの「わりなき恋」を書きましたが、その中で、クリムトの作品を挿入しました。実は今、丸谷才一先生の「無地のネクタイ」というエッセイ集を読んでいるところですが、クリムトが登場してまいりました。『日本の「翳し(かげし、としてもののあわれをとりあえずといった感じで表現しています)」がヨーロッパ美術に与えた影響・・・』について考察なさっております。その中で、クリムトの「ダナエ」や「白壁のある農家」などの作品も日本の影響を受けている一例として取り上げておりました。
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クリムト《ある女性の肖像》 |
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クリムト《ひまわり》 |
「無地のネクタイ」に関しては後日、書き込むつもりです、が、クリムトの登場で一部だけ、ご紹介させていただきました。
しかし、このご本のタイトル(厳密には「オール読物」の連載)としては、なんとも実にお洒落な名前をつけるものだな、と別な意味で感心いたします。
私の好きなクリムトの作品を三点アップしましたが、どちらかというと金色をふんだんに使った作品が取り上げられがちです。
でも彼のデッサン力、実力がよくわかります。
いずれもう少し書く事にします。