自宅前に「瀬戸河原公園」という名の公園があり、借景として楽しんでおります事、このブログをご覧の方はご存知のはずです。
休みの日に、朝から名残の春といいますか、新緑を見つめたく、
散歩というには近すぎるのですが、ぶらぶらしてきました。
巴波川、名残の桜です。 |
ここしばらくは、気にもとめずにいたのですが、この石碑の解説文が、安っぽいブリキの板に黄色のペンキを塗った物に置き換えられておりました。
ツツジが咲き始めました。 |
「Who,西山謙之助」という次第です。栃木市民でもご存知の方は少ないはずです。数年前から、平安時代物の虜となっておりますが、以前は、やはり男子故ですか、幕末、特に「清河八郎」等を中心に暇があれば調べておりました。
「清河八郎? Who.」ですよね。江戸時代末期に、回天の志を熱く胸に秘めた、地方の裕福な家庭で育った若者達が大勢おりました。謂わば「草莽の志士」達の一人です。
気が多い人です私は。「藤沢周平先生」の著作は、多分すべて読了しておりますが、先生の初期の作品には、『義民が駆ける』等の幕末のさほど名の知れていない「草莽の志士」達をテーマにした作品が見られます(この辺は司馬遼太郎先生との大きな違いのあるところです)。藤沢先生は山形県鶴岡市に生まれました。
日本海に面した架空の「海坂(うなさか)藩」における作品が多いのは、そしてどちらかといえば下級武士をメインテーマとして数多くの作品を残して下さったことはご承知の通りです。
鶴岡市の隣が酒田市となりますが、ここに最上川が、滔々と、たっぷりの水量を持って日本海に流れてまいります。この最上川を新庄市まで遡る手前に清川町があり、「清河八郎記念館」がございます。何回訪れたでしょうか。 随分と以前の話です。おそらく当時の館長様は相当なご高齢のはずですからご存命だとしても、ご記憶にはないと思います。しかし気に入ってもらいまして、いつも入館料が無料で、しかも館長室で熱く「清河八郎」を物語っていただいたことがございました。展示品の殆どは当時の幕末の志士たちが残した日記や、大書された墨痕鮮やかな、回天の高ぶる心中を表現したものが沢山保存、展示されています。清河八郎が江戸の千葉周作門下生として、一刀流の免許皆伝を得た免状もありました。館長いわく「藤沢作品のこの箇所は本当はこうなんだよなあ」と言ってましたのを思い出します。今年の大河ドラマでは、新選組が居丈高に京の都を駆け回っておりますが、この浪士隊を結成し、京に向かわせるべく画策したのが清河八郎でした。
私の昔話ですが、藤沢先生の作品に感化され、山形県内を随分と走り回りました(車無くして廻れるものではありませんので)。
幕末に地方の裕福な出自の子息等が、若き志士となり、熱き思いを胸に動乱の中で亡くなりました。清川八郎も幕府(当時は御公儀)転覆の疑念を咎められ、市中取締の役人の手により落命します。時代の流れの中での悲劇、と言えますか。
話は「西山謙之助」です。
そんな折に、水戸の天狗党が多数栃木市に押し掛け、出流山満願寺や、大平山神社に立てこもり、軍資金とか日本国のためと称して、市内の商人から多額の金品を強請取り、あげくは火付けまでします。
当時の商人たちが如何に迷惑したかは簡単に推察できます。
その天狗党の仲間であった西山謙之助が、栃木陣屋の策謀(?)にて巴波川にて慙死します。彼は岐阜県可児市の裕福な家庭にて育ちますが、あの時代、じっとしてはいられなかったのでしょう。ただし、彼が行動を共にした天狗党に所属したのが間違いでした。
その内容に興味を抱き、駆けつけたのですが間に合いませんでした。そこで、市の観光協会に行き、その時の話をし、一体如何なる内容の説明を指導なさっているのか、問合わせたのです。
天ぷらにでもしたくなるような新緑です。 |
うーむ。ちょっと待てよ。水戸の、そして出流天狗党と称されるようになった彼等が栃木にてとった行動について、何一つ触れていないではないか。
実は、もう一箇所、錦着山という市内からは西方に小高い山があるのですが、そこの山頂にも彼の墓碑があります。それ程に、問題にする事ではないのでしょうが、しかし実は、ボランテイアの説明も架け替えられる前の説明板にもその辺りのことがすっぽり抜け落ちていたのです。説明板の提供者として「東京電力」とまでかきこみしてありまして、経緯を聞くため東電の資料室の方から話をお聞きしました。「説明板のための材料として、使用済みの電柱を提供しただけです」、とのことでした。
遅咲きの八重桜です。 |
誠に繰り返しますが、どうでも良き事柄と思ってはいるのです。
が、何しろ毎朝カーテンを開けると飛び込んでくるのがこの風景です。架け替えられた面は、反対側を向いていますので最近まで気づかなかった、という次第です。どうやら私の問い合わせが、詰問に近いものがあったのかもしれません。まさか、このような物に書き換えられるとは思ってもみませんでした。
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幕末の八重桜です。 |
あちこちの名残の春を感じさせてくれるスナップというか、お花さんたちです。これにてご容赦のほど。
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