2016年1月18日月曜日

スカイベリー大福

 栃木県産「スカイベリー」は栃木県が商標登録をしておりまして、勝手にその名称を称することは出来ないのです。そこで、栃木県から正式に許諾を得ての「スカイベリー」を表示した、未加工のフレッシュな苺一個使用した大福を発売しました。ただし、お店では従来通りの「いちご大福」も販売していますが・・・。
 量販店さんからの要望にて、試行錯誤の末「苺(いちごむすめ)娘」なる名称にてその量販店さんとお店だけでの販売という次第です。 毎日の販売数量を1週間単位で決めての取り組みです。ただし何とも苺農家さんでの生産量が少ない上に、栽培にかなりの手間ひまが掛るようです。
 斯くの如き次第にて、未だ確実な生産量が確定できず流通量が毎日違います。結果としてかのこ庵での製造販売する数量が常に変わる事を承知での、限定された商品となります。
 お安くはないスカイベリーですが、そのお味はやはり美味しいと思います。それにしても、造る私自身はこんな高い価格にして、この大きさですから、かなり不安を持って取り組みました。それにしてもこれがこんなに売れるとは思っても見ませんでした。


 「とち介の和三盆」にて似たようなことを書いていますので、いささか自賛し過ぎ、と、思われるかもしれませんが、正直驚いております。羽二重粉のもち餅食感と北海道産手亡豆の白餡の上に葉っぱ(切込みをいれてあります)を付けたままのフレッシュなイメージを訴求した誠に自画自賛ですが、逸品でございます。(厳密に言うなら葉っぱではなくヘタでして、本来の果肉部分は苺の表面についているゴマ塩状のものが果肉なのです。育成栽培の難しい野菜、果実のようですが本来はバラ科の野菜に属します)
 一度、お試しください、と書かせていただきます。
 ただ、かなり手数をかけて仕上げております。そのため通常お店で販売している商品の一部が、欠品になってしまいました。

 相変わらずドタバタ、じたばたしている己にうんざりもしています。ところが良いことではないのですが、昨日はかのこ庵の直ぐご近所にて火事騒ぎが午前10時頃からあり、お店の前の通りが全面通行止め。解除されたのが午後三時頃でした。そして今朝、私がお店についたころは雨でしたがその直後から猛烈な雪になりました。その後、雨にまた変わりましたが、凄まじい強風が残っておりまして、つまり、二日連続の開店休業状態という次第です。
 かくなる次第で製品作りは順調に進みましたが…。

2016年1月13日水曜日

民主主義

 お蔭様で何とか年末年始の繁忙期、しかも体力のいる仕事が続く中、どうにか無事に乗り切ることが出来ました。
  暮れの餅つき、年賀品のお客様、そして成人の日のお赤飯、勝栗まんじゅう。
 今、現在でいうなら、安堵感と共に些か充実感も感じています。   
 けがや、故障もなく乗り切れたということでしょうか。
 しかし相変わらず多いですね。
 年末のお餅も、成人式のお赤飯もすべてご予約をいただいて製造するわけですが、当日になってから「のし餅を」、「お赤飯を」というお客様が。

 特に、お赤飯は量販店さんのように一年中パック詰めにて販売しているのとは訳が違うのです。お赤飯の容器はちゃちなパックではなく、そして量目の違う容器が数種類あります。それぞれに綺麗なお赤飯の掛け紙をお掛けします。事前に予測してお詰めしておく訳には参りません。
 更に、ササゲ(割れが少ないように皮が堅めの小豆)を少なからず数時間以上前に煮て煮汁と分けておく必要があります。この数時間が大切でして、温かいままの煮汁ですと、お赤飯の色合いが私のイメージした色合いと全く異なったお赤飯になります。
 餅米にしても同様でして、少なからず数時間は研いで浸漬しておく必要があるわけです。

 このようなことを書くことが必要な世の中になってしまったようです。

 栃木市では1月10日(日)が成人式でした。前日夕方の五時くらいまではそれでも我慢してご注文をお受けしては、お米を研いでおりましたが、流石にそれ以後のご注文はお断りしました。
 当日になってからのお客様もいましたが、早朝からのセイロでの作業です。必ずご予約以上に「足らなくなりましたので」、というお客様が毎年おります。そのため余分には準備してはいるのですが、限界です。というか、きりがないのですね。
 かのこ庵のもち米は新潟県産の「こがねもち」という、とても評価の高いもち米を使用しています。たかがお餅、お赤飯ですが、されどお餅、お赤飯なのです。わかる人は直ぐに分ります、その違いが。生産者もはっきりしていますので、安心して、しかもご納得いただける逸品なのです。今まさに受験シーズンでございます。そしてご卒業、入進学シーズンと続きます。 
 何卒、少なくとも2日前までに、ご予約をお願い申し上げます。

 話題が変わります。暮れの新聞の特集記事の中で、昨年一躍有名になった「SEALDs」の「奥田愛基」さんのインタビューが掲載されておりました。最後のところで彼はこんなことを話しています。「人間は皆ひとりで生きるしかなくて孤独だけど、ひとりじゃ生きられない。そんな自分やあなたが個人として認められ、一緒に生きることを支える仕組みが民主主義じゃないですか」と。
 とても24歳の青年の言葉とは思えない感動的な「民主主義」表現じゃないですか。
 「SEALDs」は解散し、暮れには、市民のための政策提言シンクタンク「ReDEMOS」を設立したそうです。

 ここ数年前からよくお見えくださるお客様で、ほぼ同年配の奥様と結構立ち入った話をするようになりました、お客様が他におりません時に。
 栃木市内でボランティア活動等ご活躍著しい方ですが、互いの学生時代の話になりました。半世紀前のことになってしまいますが。「私は『中核』でしたわ」と、そこで私も「ノンポリに近いのですが、『核マル』でした」と。「体格がよかったのでデモにはいつも誘われて前に押し出されてました」なんて。
 結果として、私はいつも消極的な心情左派なんだろうと今でも思っています、ここだけの話ですが。

 世の中の流れや、常識、非常識以前に無知という場合もあるでしょうが、それらが何か、空気が読める人とそんなことに関係のない人に、2極化しているなと感じます。
 さも偉そうに書いていますが、奥田氏の言葉に感銘を受ける私がとっても卑小なものに見えます。

 

2016年1月1日金曜日

千代に八千代に 新春を寿ぐ

 明けましておめでとうございます。
 皆様には穏やかな新年であり、いささかなりとも胸に抱いたご希望が叶う年となりますこと何よりもご祈念申し上げます。

 年末にかけてどうにか本来の寒さが出現して来たような年の瀬でしたが、それでもここ栃木市では「木枯らし」の寒風が感じられなかったような気がします。日本海側、特に雪の多い地方の方には申し訳ないのですが、この北関東地方は平穏なる元日を迎えることができました。

 年末恒例の餅つきも何とか乗り切りました。所謂肉体労働は厳しさが増してきてますが、何故かサプリメントの効果だけとは思いませんが、一昨年ほどの疲れを感じること、少なく終了いたしました。量販店様の納品も無事に済ませ、毎晩ぐっすり睡眠が取れている気がします。これが一番ですか。己に「嗚呼、今日は疲れているぞ」と思わせてベッドイン。
 この歳にしての自己管理術でございます。

 大晦日のよる7時前に納入先の量販店様を2店覗いてきました。
 おかげさまで決して、というより一番高い価格が付けられている、かのこ庵の商品が売切れておりました。
 ご理解していただいているのだなあ、と、実感の年末でした。うまいものは美味いのです。
 ご来店のお客様から「お前のところの『栗きんとん』はデパ地下なら3千円は取れるぞ」とまで仰られました。ありがたいことでございます。それでも半値に近い
のですが。

 それ故、この商いをこの歳にして止められないでいるのでしょうか。いや、実は正直に書くなら、儲からない商いをしているがために、半ば、自転車操業状態での奮戦をしている。ということです。

 まさに新年早々なんでございますが、そこで、今年は錆ついてきているわが身をなだめつつ少しだけ商品の品数を減らす方向で進んで行こうと決めました。
 例えば、「開運勝栗まんじゅう」の一日の製造数も従来よりは減らします。まさに、午前中にての売切れはご容赦願うことにします。


 商いの話を書くつもりはなかったのですが、今回はご勘弁を。
 ということは、次回は何が書かれるか、お楽しみください。