2011年5月30日月曜日

「老いることは素晴らしいことです」メイ・サートン(米、詩人)

  前回のブログのタイトルは、開高フアンならどなたもご承知の名セリフです。
 「自分自身をわかるのに一生かかるんやて」と、同じく開高先生はおっしゃってます。
 棺に片足突っ込んだような歳になってきましたが、本当に私とは何なんでしょうか。
 勿論、やり直しの聞かない人生ですが、悔いの残る日々が多すぎます。
  そして、その割りに結構好きなことを、出来る範囲で押しとうしてきたのも事実です。
 その様な事を、悟っていくこともこの歳ゆえですか。
  『悠々として 急げ』  あたふたしています。
  そうはもう長い人生が有る訳ではありません。
  しかし、現役として商いをする中で、なんともまだまだやりたき事があります。
  いささか、せかされている感のある昨今です。でもこれってやはり人によって
 考えは異なるでしょうが、私は少し素晴らしい日々を過ごしていると言えるのか
 もしれません。

 ところで、朝、眼がさめなっかた日がきたとして、以後のことは私には全く分からないの
ですから、つまり、踏んづけられようが、川に捨てられようが、関係ないのです。
 残された人の思いを踏みにじることになるのかも知れませんが、どんな形になろうと
どうでも良い事柄だと、私個人の思いとして記しておきます。

 自室に張ってある「土門拳」の写真集からのコピーです。苦しみや痛みからは、逃げる事は無理でも、この写真によって時に、癒されている自分を発見します。





 なかなかご紹介できなかった、といっても、
 これではこのお店を特定することは難しい
 かもしれませんが、ヘルシーメニューが
 自慢の静かなお店です。
                                                                                                       
 店名は「ごはんできたよ」と申します。
 場所は新栃木周辺とだけ書いておきます。
 私の願望から、静かなままのお店であって
 欲しいと
 思いますので。
   経営者にはスミマセンが。

 ハイボールもワインも美味しいのです。
















                                                                           

かのこ庵店先のつぼみのあじさいとミニバラです。


 次回は、和菓子屋が一押しの「洋菓子店」をご紹介しちゃいます。ご期待の程!

2011年5月28日土曜日

「悠々として 急げ」 開高健

 関東地方は昨日から梅雨入りだそうです。
 どんよりとした空模様が続いています。
 火曜日の午後から水曜日の午後までは、嘘みたいに快晴だったのですが。
 実は、幹事役を引き受けていた旅行があり、とても出かけられる環境では
無かったのですが、とんぼ返りに近い状態で、那須にいってきました。
 愛子様のご紋となる「五葉つつじ」が少しだけ咲いているのを見かけました。
 清楚にして、気品ある白さは、普段、吹き付ける那須下ろしの強風を受けて
いながら、凛としたものを感じさせてくれます。
 
 水曜の夜、お通夜、そして告別式と忙しい日が続きました。
 生老病死。自分の年齢になると、身辺に色々とその手の沙汰が増えてきて
いる気がします。どういう方々がとは、ここでは書きませんが、在りし日を偲ぶ
ことの多いことに、又、その流れの中での出来事に思わず驚き、そして結果と
して眠れぬ夜を過ごす日々です。
 故山口瞳先生の作品の中から今年、出版された「追悼1・2」と題するご本が
有ります。追悼文の名手とはおかしな表現ですが、故人を誉めるだけではない、
人間性や、その故人の内面を書き、涙する先生の冷徹にして、暖かい目線の
作品の中に、表面しか知ろうとしていなかった自分を発見します。
 しかし、余計な事ながら「故人の人生は振り返りますと、幸せであったと言え
ると思います・・」。と言う様な、告別式での挨拶を聴かされますと、これまでの
我が身を振り返った時、決して誉められるような人生ではない、ということは、
迷惑をかけたかも知れないし、心配ばかりをかけてきたのではないかと先ず
思ってしまい、先程の言葉は私には使えないなーと思ってしまいます。

 私に出来るのは以下の写真のごとく、ひっそりと筆を取ることくらいでしょうか。
 しかし、恥ずかしげも無く、又、ご紹介しちゃいました。
 

2011年5月22日日曜日

「さしも草」をつかった「米まんじゅう」が出来ました。

 丸い柏餅ではない手作りの「米まんじゅう」です。
 こしあん入りとさしも草を使用した粒あんの2種類がならびました。
                  今朝の我が家の庭は花盛りでした。    

私の自宅の机の上を一部だけご紹介します。
ジャズを聴きながら、物思いに耽る時間が、墨の
香りと共に癒してくれます。

本当は、いろいろと書く予定でしたが、今朝、仕事に入ってから、
大切な人の訃報がありましたので、すみませんが落ち着いたら、
カキコミします。ここ2~3日は物思いに耽る夜が続きそうです。

2011年5月19日木曜日

今が旬! 「さしも草」の収穫が順調に進んでいます。

 五月六日のブログに写真を載せましたが、今日現在の店の前の「さしも草」です。
 実にいい香りの、そして蓬の味の強さも丁度良い、さらには、収穫するのに収穫
しやすい大きさに成長しました。
 異物を取り除き、よく水洗いの後、茹で上げます。そして、又、冷水で洗い流しな
がら水気を少し残す程度にして、ペースト状に仕上げます。

 つまり、さしも草に限らず、蓬の生産は今がピークということです。
 山形県でも冷凍蓬が生産されていますが、約一ヶ月遅れで採取するとの事です。

 その冷凍された蓬を、今までは早くて年末、通常春先から「草餅」として、和菓子店
では製造、販売していました。私もうかつだったのですが、蓬の商品は春と決め込ん
でいました。
 実は、今こそ旬の蓬を使った商品を製造販売するべきだったのです。

 「黄名粉の、あんなし草餅」を販売開始しました。
 更に、栃木市以外の方にはなじみが少ないのですが、上新粉を使った「米まんじゅう」
という夏季限定の商品がこの地では売れるのです。以前は、夏祭りに併せて各家庭で
手作りされたものです。かのこ庵では昨年まで「こしあん入り」の「米まんじゅう」だけを
製造してきましたが、「粒あん入り」「さしも草使用・米まんじゅう」も同時に、販売する事に
致しました。「何よ、一年中草餅を売っているみたいね」と言われそうですが、何度も書き
ます。『さしも草』は今が旬なのです、と。

 柏餅はおかげさまで、柏の葉がまもなく予定数を終了し、販売も終わりとなります。
 「丸い柏餅は柏餅ではない」は大変な反響が有りまして、閲覧して下さった方がずうっと
トップで二位を大きく引き離しています。疑問に思っていらした方が、大勢いらっしゃったと
いう事と推察いたします。有難うございました。お客様の中に「貴方のとこの柏餅は丸じゃ
ないわよね」とお聞き下さる方が、少なからず今年は多かったのも事実です。

 二種類の「米まんじゅう」、間もなく製造を開始しますが、写真が間に合いません。
 少しお待ち下さい。その代わりとは変ですが、夏向きに昨年描いた自作を恥じることなく
ご紹介いたします。店内に掲示いたしました。
 過日、広島の牧様からいただいた熊野筆が実に具合よく、お気に入りの画材として有り難く
使わせてもらっています。私の書画の筆が「面相筆」とよくお分かりになったなーと感心しつつ
感謝、感謝でございます。
 

2011年5月17日火曜日

青竹筒入り「水ようかん」

 お待たせしました。
 青竹筒入り「水ようかん」の製造が5月20日より販売開始となります。
 実は昨年は、製造をストップというか一年間休ませてもらいました。
 竹筒が以前は中国産だったのです。正直に書きます。中国産の竹は
一本が25円でした。一昨年、次から次へと餃子の問題など頻繁に世の
中を騒がせてくれました。そこで、一昨年は国内産へと切り替えたので
すが、価格が一本95円になっていました。
 青竹をかじって召し上がる方はいないと思います。DNAを調べてなる
ほど、国内の竹だと分かったとしても意味がありません。中国産の時は
袋に入って入荷しましたが、段ボール箱にて国内産となりました。
 箱を詰め替えただけで、もしもこれだけの価格差が得られるなら私も
やってみたい誘惑に駆られます。どうにも馬鹿馬鹿しいのと、この価格
差を商品に反映させるのは無理と判断したというわけです。
 しかし、お客様からは随分と叱られました。「おやりなさいよ」と。
 青竹に流した水ようかんを、更に、ビニールではない本物の茎付き笹
の葉で包み、鉄砲串という竹製の串を添えて仕上げられた水ようかん。
 いささか凝りすぎでしょうか?
そしてなんと価格は据え置きの315円(税込み)。手間ひまをかけた程
には利益が・・・。いけません。商いとはそういうものです。

 道明寺製の「あじさい」と「甘さ極めて控えめの『わらび餅』」に続いて、
「生の桜の葉」にのせた『くず桜』と『水ようかん』も販売が始まりました。

 今年の夏は節電モード一色でしょう。
 日本人なら暑い夏を乗り切る術の一つとして、涼菓を是非、と、お薦
めします。
青ゆずあんをいれてます。

お店の前は花盛りです。

2011年5月15日日曜日

「退屈の猫に出て行くとこがあり」 前田雀郎

 忙しかった日々、毎日が追いかけられていたような日々。
 全く、嘘のように静かな日常に戻りました。でも、季節のつまり、夏の商品作りが
始まりました。なぜか、夏向きの商品は結構手が掛かるのです。とくに、赤釜、「さ
わり」と呼ぶのですが、銅釜のことです。これを使用しての商品が一気に増えます。
 「水ようかん」、「わらび餅」、「葛桜」、そこに普段は取り扱わない上生菓子も少し
だけ作ります。これすべて「さわり」が必要です。
 暑くなる時期に火を使う仕事が必然的に多くなります。「節電」がこの夏のキイワ
ードとすると、私は暑がりですから今から悩んでしまいます。
 早起きして朝の涼しいうちに作ってしまうのが一番ですか。
 
 表題の前田雀郎先生はお亡くなりになってかなりたちますが、栃木県の出身で
「川柳」の世界では知らない人はいないというご高名な方です。ご長男、といっても
私よりは、ご高齢ですが、かなり、親密にお付き合いいただきました。
 宇都宮大学の教授を長年勤められ、漬物博士としても有名です。確か、今年の
県の川柳会の会長さんに選ばれてもいます。とても楽しい先生で、お酒もお強く、
ワインにも造詣が深い方です。雀郎先生が、当時まだ幼かった頃のご子息(前田
安彦先生)をお読みになった川柳を、二句程ご紹介します。
 「男の子父と寝た夜のいい話」 ・ 「遠足のみやげに父の分は無し」
   如何ですか、いいでしょう。

 さて、かのこ庵の和菓子の話です。
 道明寺種(もち米を細かく荒挽きしたお菓子用の材料)を使った「あじさい」です。
 かのこ庵の葛桜や水羊羹には生の桜の葉を下に敷いて、涼しさを演出します。
 「竹筒の水羊羹」を包むのは、本物の笹の葉と国内産の青竹と、本物の竹串です。
 プラスチック等は一切使いません。
 昨年、アジサイの葉っぱを料理の飾りとしてだと思うのですが、使用した料理店が
食中毒を出して話題になりました。見た目は良いのでしょうが、アジサイの葉には毒が
有ります。食品に携わるものの常識です。それでなくともアレルギーのこと等もあり、
無知ではかたずけられない話です。

 これから順次、かのこ庵の初夏の商品群をご紹介していく予定です。
 
 あと一つだけ、「極めて甘さ控えめ・冷やして美味しい『わらび餅』」は、庵主の
 超お薦め品です。数量限定ですのでお早めに。

2011年5月12日木曜日

「濃き影を抱きて新樹並びおり」 高浜虚子

 5月九日から十一日まで三連休を、実に五年ぶりでとりました。
 もっとも、二日目午前中は少しですがご注文もあり、又、昨日は
合羽橋への買出しという訳で、完璧な休みは無理でしたけど、精
神的には疲れが取れた連休でした。
 五月八日は午後、壬生町の獨協医科大学病院に知人のお見舞いの為
訪れましたが、銀杏並木でも有名な病院です。新緑の青葉、若葉の並木
道は色々な光が乱舞して見えます。しばし、思索の時間を過ごしました。

 折角の休みです。少し足を伸ばしてある所の(場所はひみつ)スミレが
群生しているお庭を拝見してきました。こんなに沢山のスミレが咲いてる
のをみたののは生まれて始めてです。
 











同じお庭で。

            今回は、皆様も少し、癒されましたでしょうか。

2011年5月6日金曜日

「みやこには ききふりぬらん ほととぎす せきのこなたの みこそつらけれ」続後拾遺

 藤原実方朝臣集より。
  「みちのくにに五月ばかりに、ほととぎすのきこえざりければ、人にきこえし」として
  表題の和歌がありました。何かつながるものを感じましたので使わせていただきました。
             お店の前のサツキです。間もなく花が開きます。  
 五月の節句も無事に、そして、意外にも(?)お客様の数、売上げが共に昨年対比
大幅に伸びて終了しました。ただし、欲を言ったらキリありませんが、客数の伸びほど
には売り上げ増にはなりませんでした。つまり、以前でしたら「少なくてごめんなさい」と
いうお客様でも最低、柏餅なら五個はお買い上げになったものです。でも昨今はコンビ
二感覚とでもいいましょうか、ご自分がお召し上がりになる数だけ、お買い求めになる
 お客様が増えました。
客単価は下がりますけど
勿論、一個でもお客様です。









「さしも草」もかなり
生長してきました。


 ところで、「丸い形の柏餅は、柏餅ではない」というカキコミをつい先日致しましたが、
驚きました。沢山の方が読んで下さっておりまして、以前は「平井焼」関連のカキコミが
トップでしたが、あっという間にその3倍の方が訪れてくれました。ヤフーやグーグルで
「丸い柏餅」として検索すると、どちらもトップで出てきます。皆さんそれなりに疑問を感
じていたということでしょうか。それが少しは客数の増加にも貢献したという事であれば
「酔眼日記」の顔が立ったといえます。有難うございます。
            お店の前の方の庭から、かのこ庵をパチリ。

2011年5月3日火曜日

「鯉の吹流し」

「・・・(略) で、私は歌いつづけた。
『橘香る朝風に、高く泳ぐや、鯉のぼり』

 私は五月人形というものが好きではない。桃太郎も鐘馗様も安っぽい。三月の雛人形には
かなわない。やっぱり人形は女の児のものだろう。鯉の吹流しはいい。あれは実にいい。さっ
ぱりとして、勇壮で、馬鹿ばかしい。無意味で、美しい。私は鯉のぼりの無意味には、意味が
あるはずだとおもっている。」
       
      直木賞作家  故 山口 瞳先生  「人生論手帳」より

 私が敬愛し私淑する、山口先生が書き残した御本から抜粋し掲載しました。
 ところで、実に「鯉のぼり」を挙げているご家庭を見ることが少なくなりました。
 親と同居する若夫婦が少ないのでしょうが、変わって、栃木市の中心部を流れる巴波川に
 かわいい、小さな鯉のぼりが沢山泳いでいます。
 川の中にも沢山の鯉が泳いでいます。
 先程から小雨が降り始めました。
 鯉のぼりに降りかかる涙雨のようです。
 
 さて、しつこいかもしれませんが、全国で一、二位を争う大手の量販店様の折込チラシです。
 どなたか、商品本部の人を知っている方がおりましたら、このブログをご紹介下さい。
  本当は簡単なことですが、一手間かけて、柏の葉に包む込む前に、手のひらで成型して
 あげるだけでも、随分と違うのですが。それがいやなら、せめてお餅を葉っぱで隠しましょうよ。

2011年5月2日月曜日

名残の春を・・・

 恥ずかしき事ながら、自作の水彩画をアップします。
 如何ですか?
 雑木林が好きで、
 特に新緑の小径を
歩いていると、心が
詩心まで導き出してくれる
ようです。
 何処の雑木林も余り変わらないと
お思いでしょうが、新緑の色の
濃淡や、枝ぶりにあたらしい
出会いを見つけることが出来ます。 

 どうも趣味の多い人だといえます。



大平町の「やすらぎ」さんへお届けの際
庭に咲いていた「ハナミズキ」をパチリ。
 「やすらぎ」さんもそうですが、「旧栃木市内でお魚の美味しいお店を教えてください」と
お客様から、よく聞かれます。ただ、何しろ栃木県は海無し県でして、本当の意味で
魚介類の鮮度が自慢の店は少ないのも事実ですが、この「やすらぎ」さんともう一軒
だけ自信を持ってご紹介できるお店があります。
 本当はもっと以前にご紹介するつもりでしたが、何しろ 3.11以来、何でも書けば
いいという雰囲気にもなれず遅くなりました。本来は鮮魚店がスタートの「まごころの
味『ゆたか』さんです。つい最近も、CATVの番組でも紹介されていましたのでご存知の
方も多いと思います。素晴らしく美人のママがいることを付け加えておきます。
   私がこんなに色々とお店を紹介してますと、  
  昔はともかく、グルメにして、又、飲み歩いて
  いるようにとられそうですが、確かに酒量は
  減りました。かといって、夜、出歩くことも誠に
  少なくなりました。
                            刺し盛りは絶品です。                                                                                       
     
                    ところで、何日か前に、「丸い柏餅は柏餅ではない」と書きました。
          和菓子店の職人としての、矜持も無いのか、と。
                しかしどうにも、驚くと共に、あきれた写真を掲載します。
                   社名は出しませんが、余りにも堂々としていて言葉を失います。
折り込みチラシの写真です。