2011年4月28日木曜日

「言ひのこす用の多さよ柿若葉」 中村汀女

 連翹が好評でしたので、夏の季語になりますが「柿若葉」から一句。
 つやつやとした萌黄色の柿の若葉は初夏の色かもしれません。
 
 いよいよゴールデンウィークに突入です。2週間休み無しで仕事です。
因果な商売で、皆様がお休みのときが書き入れ時なのです。その後、
連休の予定です。かくして、本日はここまで。
 
 我が家の裏側から撮りました遅咲きの桜が奥に見えます。
 そして、手前がタンポポです。
 なんと! 我が家の駐車場と
道路の境に花一輪。 移植する
ほどでもなく何日の命となるで
しょうか。
 今夕、自宅に戻ってまだ無事
でしたら、移植します。
 どんな小さな命でも、救える
ならば、という気持ちが強く
感じる昨今です。

2011年4月24日日曜日

「MR.WILSON」 のCDが見つかりました。

 ジャズばかりで一日が過ぎていた学生時代。ピアノトリオが好きで特に、テデイ・ウイルソン
にはのめりこんでいました。あれから何年経ったでしょうか。先日、中古販売の店で偶然に
出逢っちゃいました。
 1935年頃から50年代にかけて活躍した
プレイヤーの一人です。軽快にして力強い
ビートに痺れたものです。






 店内には4個のスピーカー、作業場には2個のスピーカーが設置されていますが、
数年前からクラシック専門にBGMを流していますので、朝、まだ誰も出勤してこない時間
にボリュウムを上げて仕事をしています。

 今日、流しているのは「The Glenn Gould Edition Bach」です。Preludo NO.13の軽さがたまりません。グレン・グウルドにはクラシックとは思えないジャズっぽさを感じます。総じてピアノ曲が中心に、ということはピアノが好きなんですネ。協奏曲を含めて、癒しの名曲を流しているわけですが、時に
レジの前で、会計をしようとしているお客様が突然、固まったりします。ご自分の好きな曲が流れているのに気づいたりするわけです。栃女高はご近所に有りますのでよく生徒さんが立ち寄ります。
 欲しい商品を見つけながら、リズムに合わせて身体をゆらしています。
 「和菓子店にクラシックは会いますね」とおっしゃられたお客様が何人もおります。
 音楽っていいですねー。
  あの内省的雰囲気たっぷりのBill Evanceも語っています。
 「心を豊かにする、これこそが音楽の効能なのです」と。

 ここまでカキコミしてきて気づきました。今やCDなどはネットでショッピングですよね。
 中古も新品もいくらでも検索可能なのでした。私はまだアナログおじさんですね。

夏初月(なつはづき) 四月の和名です

 今日、四月二十四日は昨日とは一転、快晴の初夏を思わせる陽気となりました。
 四月の和名は「卯月」が一般的ですが、他にも色々ありまして「花残月(はなのこり
つき)」、「清和月(せいわづき)」、「卯花月(うのはなづき)」等ですが、まだあります。
 ある業者のカレンダーから教わりました。

 かのこ庵店内のショウケースの上にも、夏の商品が並びました。この写真の商品は
すべて四国から取り寄せた「和三盆」です。
 「和三盆」は四国でしか生産されませんが、このメーカーは季節ごとの商品に力を
入れていますので、つい先取りして仕入れてしまいます。食べるのが惜しいような、
見ているだけでも楽しくなるような商品です。

もうすぐ五月の節句です。

大阪から仕入れた節句の商品は残り少なくなってきました。
そのかわりにと「金平糖のあじさい」が並びました。

2011年4月21日木曜日

丸い形の柏餅は、柏餅ではない

 昨日は定休日でしたので、宇都宮や、上三川のショッピングセンターを中心にマーケテイング・リサーチをしてきました。  一人で。
 まず、何が言いたいか! (気色ばむほどの事では無いのですが)
 どうして、どのテナントも、一寸大きな和菓子屋さんも「柏餅」のお餅はまん丸なのでしょうか?
 これでは「かのこ庵」の「かしわ餅」は丸くはないですから、知らない人は「ふざけた柏餅ね」と
思われそうです。丸が常識、いわゆるはまぐり型が非常識となりそうです。あるS.Cに出店しているお店では、大きなポスターに柏餅の写真を掲示して販売していましたが、こしあん、粒あん、味噌あんの三種類を柏餅の柏の葉から少しずらして、というか、少し前にお餅を出してみせていました。

 柏餅は男子の祝い菓子です。男の子の健やかな成長と、昔は出世を願ったでしょうか、
つまり、この形は侍大将になることを願って「兜」の形を模して作られ始めたのです。和菓子屋の常識です。
それぞれのお店の職人さんたちが、自分はこの形が手になじんでいるということで、必ずしも全てが同一形ではありませんが(とはいえ大体似ています)、何グラムとして目方を決めて、お餅を小判型に伸ばし、そこにあんこを乗せて、閉じるようにあの形、この形にしていくわけです。
 つまり、機械で作ると丸い柏餅になってしまうわけですね。おまんじゅうもそうですが、機会で作られますと、生地の中にある気泡(空気)が押しつぶされてしまいます。昔、私が工場長をしていた埼玉県の菓子店では、当時二十店近くあり、5月4日の日は夕方から徹夜で何万個という数の柏餅を全て手作りで作りました。なぜなら、同じグラムでも機械で作ったものとでは、勿論、見た目も味も、そして何よりも、大きさが微妙にちがうのです。手で作ると生地の中の空気が残りますが、機械はすりつぶしてしまうからなのです。かのこ庵も一時は機械に頼ったときも有りましたが、時代が違うとはいえ、丸い柏餅でも結構ですけど、お願いします。せめて写真の中の柏餅くらいは、お餅を少しだけ見せるようにし、つまり柏葉から少しだけお餅が見えている状態にして下さい。
 この業界に限らないでしょうが、職人の必要とされる商いでは、それぞれの仕事にプライドというか、当然の「矜持」というものがあるはずです。機械でポコポコ造る、楽をするとこういうことになるよという典型です。ついでに書くなら、そのお店の柏餅「味噌あん」のお餅はピンクの色で、かのこ庵と
同じですが、細かい表示がなされているわりには、着色料の表示が抜けていました。こんなこと書くのは意地悪でしょうかね。
 
 随分長々と説教めいたことを書きました。
 でも、お菓子のいわれや、よって立つところを書いていくのも、このブログの一つの使命でもあると思い、まだまだカキコミします。





 かのこ庵の店の内外に飾ってある花は、その殆どがこのたび、栃木駅前に移転した「花龍」さんから調達しています。いささか中年の渋みを感じさせるアレンジメントフラワーが得意な店長さんのいるちょっと他店には無い花が置いてある、かのこ庵一押しの花屋さんです。移転してまだ間もないため紹介が遅れました。元、福田屋デパートの立体駐車場前で営業していましたから、ご存知の方も多いはずです。
昨晩、買い求めた「木苺」の花です。実がなりますでしょうか?

2011年4月18日月曜日

「ゆきすぎて なほレンギョウの 花明かり」中村汀女

 今朝、朝のうちの仕事を
早めに切り上げ、県南市場に
行ってきました。
和菓子屋も市場に出入り
するのです。山椒の若葉
使った商品を今日から販売
するために。「木の芽薯蕷
饅頭」の発売です。あんは
白あんにさつま芋を一緒
に煉りあげた芋あんを使用
します。

市場の途中の用水路沿いに
連翹が見事に咲いていました。
私の好きな(そんなに沢山は
知りませんが)中村汀女様の
俳句を思い出しましたので。

 和菓子から季節感をとると、
洋菓子屋になってしまいます。
栃木市はそういう意味では
日本の中心部付近にあり、
極めて明確な四季を感じ
取ることが出来る、素晴ら
しい場所だと言い切れます。
中小の河川にはさまれ、
豊かな水量とその水質の
よさゆえに、サントリーや
ミツカン酢等の食品メー
カーが散在しています。
イワシタ食品や滝沢ハム
酒造元、味噌、醤油など
きりがありません。

「日本に四季があることを感謝して」となる訳です。太陽からの地球までの
距離。そして、地球の地軸の傾きによる日本の存在する場所。
春夏秋冬にありがとうです。

2011年4月17日日曜日

「長らえば またこの頃や しのばれむ 憂しと見しよぞ 今は恋しき」

 それ程に売上げは無いのですが、毎日とても追いかけられている様な
日々が続いています。結構細かい仕事に時間を取られてしまいました。
 と、ブログの書き込みができなかった言い訳をしています。
 本当は、かしわ餅について、書かねばならない事もあるのですが、次回
からとします。しかし、新入社員というのは、全体の仕事の流れや、個々の
仕事の意味を指導しながら、その一方で目を離すことも出来ず、正直な所、
ある意味、足手まといでもあります。
 G・Wが過ぎるまでこんな状態が続くものと覚悟しました。

 タイトルは藤原清輔の和歌で、百人一首に出てきますのでご存知の方も
多いと思います。「生きながらえていると辛いことに出逢うことも多いけど、
あのときのあの辛さも、今思い出してみれば懐かしく感じるものになる」と
解釈していますが、間違えていたらお許し下さい。
 お亡くなりになった方には、ただただご冥福を、そして、悲惨なこの度の
心の傷を負われた方には、少しでも早い立ち直りをと願わざるを得ません。

 我が家の前の借景です。今朝はいつもよりもさらに早起きしての仕事で
したが、春暁の中の桜吹雪となっていました。4~5日前の写真ですが。
 
 いささか、堂畝(牧)さんのブログ「花林 ~小枝の音色に誘われて~」の
影響を受けたページになってきているのを感じます。お若いのに平安時代
というか、源平物に関しての造詣の深さにはいつも尊敬、感謝しています。

2011年4月10日日曜日

吉報が2件

 昨日、思いもしなかった嬉しい事が2件続きました。
 一件は、広島のH・Mさんからとても素敵なプレゼントが届きました。
 昨年、出版した本の関係でお世話になった方ですが、出産祝いを
兼ねてお菓子をお送りしたお礼との事です。とても、そんな積もりで
お送りしたわけでは無かったので恐縮してます。でも、正直とっても
嬉しい事です。あらためて近日中に返事を出すことにします。

 もう一件は、このブログにも書きましたが、宮城県石巻市のSさん
ご夫妻がご来店下さいました。誠に、現実は大変なことになっている
ようですが、ともかくお元気なお顔を唐突でしたが拝見できこれまた
正直、涙が出ました。「ご心配していただいて・・・」とおっしゃられた
瞬間、歳ですかね、いけませんネ。

 「まいた種、遅かれ、早かれ、必ず芽が出る」という箴言が有りま
すが、どんな小さなつながりでも大切にその絆を断ち切らないように
することの重要さを悟らされた日となりました。
 吉報2件に感謝して、今日の早朝に撮った綺麗な写真をアップします。

 

2011年4月7日木曜日

そろそろ、いつもの生活スタイルを、

 色々と情報が入ってきています。
 かのこ庵の上得意先様で宮城県石巻市の方がいらっしゃるのですが、
2週間に渡ってご両親の安否が確認とれなっかったとの事です。お互いの
避難先がわからなっかたという事は、正直、生死も確認できなかったという
事になります。テレビを含めた情報は、報道規制がなされており、本当の悲
惨な現状は国民には知らされていないということです。詳しい惨状をお聞きし
ただただ涙をおさえかね、しばらくは呆然としていました。

 来週の日曜日には、過日、ご紹介した煎茶道の篠木先生よりお茶会の
ご注文が200個以上あります。普段は作らないのですが、練切で芍薬の
蕾を作ります。菓銘は「春曉(しゅんぎょう)」です。
 清少納言の「枕草子}は「春は曙」で始まります。私は「春の曙光の時間が
気に入っています」という訳ですが、春曉とはまだ朝日が姿を見せない夜明け
直後の時間帯を言います。栃木市では、あちこちで一遍に桜が咲き始めました。
東日本の被災された方に、今年の春はとてもお辛い春となるのでしょうが、少なく
とも新しいいつもの春が来ることを信じたいと思います。

 そして、私たちもそろそろいつもの生活に戻りたいものです。
 温泉地はガラガラだそうです。たまには温泉にでも出かけましょう。
 たまには豪華ではないにしても美味しい食事もたべましょう。
 このままのマイナス思考では日本中が沈没しちゃいます。そして、それぞれが
出来る範囲でそれぞれの被災者への支援をしていきましょう。ある方から教わ
りました。「非力と無力は違う」と。

 栃木市旭町の「満福寺」様の本堂がそのお姿を、威容を現してきました。
 この度の震災直後に撮った写真ですが、今まで掲載するのを遠慮させて
もらっておりました。でも、ご立派な御本堂の落成には、衆生済度のご利益
も絶対にあるはずですので、このたび、遅くなりましたがご紹介いたします。
 昨日は店休日でした。そこで、我が母校、栃高美術部に昔私も在籍していたの
ですが、その美術部の先輩や後輩が小山市で「チャリテイ作品展」を開いていまし
たので覗いてきました。
 そしてたまに一寸美味しいランチをと思い立ち、庵主の隠れ家的小さなレストラン
ですが「ルポサンド」に行きました。、美味です。
 実は、そのお店の隣には、手作りハムで有名な「ダンケ」さんがありこれが又、
庵主、超お薦めと言い切るお店なのです。自治医大の近くです。


一度、お試しの程。

2011年4月2日土曜日

「大津波 北の都は あれにしを むかしながらの 山桜かな」

 タイトルは「千載和歌集」からの盗作です。
作者は読み人知らずとなっていますが、薩摩の守、平忠度(たいらのただのり)です。
 本来の和歌は「さざなみや 志賀の都は あれにしを 昔ながらの山桜かな」ですが、思わず引用、改作してしまいました。

 先程17時頃震度4の地震があり、全く唐突に、ガツンときました。日本はどうなってしまうのよと、気持ちがいささかなえてきます。
 
 藤原定家の父である俊成に忠度は和歌を教わっています。
 平家が都落ちをしていく中で、忠度だけが単騎、俊成の下に戻ります。そして、「勅撰集を編纂するとお聞きしたが、何卒、我が和歌をせめて一首でも・・・」と俊成に作品をしたためた巻物を託して都落ちをしていき、戦の中で壮絶な最後を迎えます。
 その後、後白河院の命で編まれた「千載和歌集」に、前述の和歌が採られる訳ですが、勅勘を蒙った人物故に「読み人知らず」と成ったという「平家物語」に出てくる話です。
 どうも、色々と勉強しているようにとられそうですが、たまたま現在読んでいる本の中に出てきましたので、という訳です。
 最近はあまり聞かなくなりましたが、「ただのりさん」として後世に、いや、つい最近まで名前を残した人物です。こんなことをここに書いていると、このブログを「読む人おらず」の状態になるかも知れませんね。地震の後遺症か少し文章が乱れていますが、お許し下さい。                            

2011年4月1日金曜日

伊吹山のさしも草

 3月30日(水)休日を利用して伊吹山は善応寺様の「さしも草」の成長具合を見てきました。今年は寒かったのですね。未だ10cmまで育っていませんでした。収穫にはもう少し時間が掛かりそうですが、本当は自家用でしたら、この程度の伸び具合いのところを摘むと、量は取れませんが美味しい草餅が出来るのでしょうが、時間と手間が掛かりそうです。