2014年1月31日金曜日

アリス・マンロー「ディア・ライフ」

 2013年、ノーベル文学賞を受賞した、カナダ生まれのおばさまというよりおばーちゃんです。全米批評家協会賞他たくさんの受賞作がございます。短編小説の名手として、その名が知られています。なぜ今回この作品をご紹介する気になったかは、じつはマンロー様曰く、「この作品が最新最後の短編集」ということでして、もう新たな作品は書かないそうです。
 誠に惜しいことでございます。いずれはリタイヤの時期は必ずやってまいりますが、これほど惜しまれつつたくさんの賛辞を贈られている作家も少ないのではないでしょうか。
 
 裏表紙に彼女の作品の性格が端的に、そして的を得て批評されております。「チエーホフ以来もっとも優れた短編小説家が、透徹した眼差しと眩いほどの名人技で描き出す、平凡な人びとの途方もない人生の深淵。」と。

 以前、リンボー先生謹訳の「源氏物語」を丸谷先生が評して、紫式部が意図してか、描かなかった箇所をわかりやすく丁寧に書き足してくれている旨の事を書きました。女性だからそうなのかとも思いませんが、マンロー様の作品を読むと、長編の作品を珠玉の短編に見事に仕上げているのがわかります。光源氏の後朝をさりげない感じでさらりと書き残した式部ですが、マンロー様にも同じような表現が感じられます。本書の一作目における男女の出会いを、寝台列車のコンパートメントの中でのセックスシーンを、わずか数行にておさめてしまうテクニックは、紫式部を思わせられます。それでいながら、2~3ページ分の濃密なものを感じさせてくれます。勿論、厳密には全く別次元での話ですが…。
 引用はあえていたしません。ともかくもそのような素晴らしい作品に出合うことは、私の残り少ない人生に、癒しと活力を与えてくれている感じがします。
 大変な叔母様であることに間違いはございません。

 ところで話題は変わりますが、よく読書の時間が見つけられるものと、自分でも感心しております。つまり、正直なところ仕事の方がハチャメチャに多忙を極めております。毎朝の早出は、さらに暗夜の内からとなってしまいました。そんな中、誠に有難いことではあるのですが、昨年秋に取材に来ていた「下野新聞社」さんの取材記事が唐突に(忘れておりました)1月26日(日)に掲載されました。その日の朝、「新聞で見たんだけれど…」のご予約のご注文で新聞を開いて気付いた次第ですが、電話と来店客とが団子状態での朝になってしまいました。
 来週一杯、すでにご予約がきております。なぜか県外からも。
 ブログへの書き込みもせねばと、焦ってはおりましたのですが、今日、ようやく書き込みしてます。
 カラーにて、さらに文章もよかったのでしょう。誠に有難く、又、お客様には随分とご迷惑をおかけしてしまっております。何しろ、手間暇のかかる商品なのです。一日100個を限度に販売してきましたが、毎日その数をはるかにしのぐ数量を製造しております。それでも午前10時頃には売り切れてしまいます。
 何しろ、かのこ庵はこの商品だけを製造販売しているわけではございません。ご法事や、特別なご注文もありますが、今までお受けしてきたものをお断りはできません。この苦衷をご察し頂ければと思います。
 ともかく、斯くの如き次第にて、更に毎日の量販店さんへの納品も、数量が日増しに増えております。まさに「どないしまひょ」状態でございます。
 体調管理だけは徹底して注意しつつ、しかし私個人では出来ることには限度もございます。  
 それでも、いささか急激な忙しさにも慣れてまいりました。あとはできる範囲のところまで働かせてもらいます。
 誠にこのご時世の中でボヤキは慎むべきでしょう。
 「おかげさまで 今日無事 ありがとう」でございます。     
 


 

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