2014年1月5日日曜日

「成長から成熟へ」天野裕吉様

 「謹賀新年」でございます。 


多くの皆様にとりましては、さぞやのんびりした、おだやかな陽射しの中での新年ではなかったかと存じます。しかし、それなりに風は冷たいものがありました。豪雪に見舞われている日本海沿いの方には、ご苦労な新年であったろうと、ご同情申し上げます。
 

 かのこ庵も、庵主もそれなりに何とか新年を無事に迎えることが出来ました。お陰さまで例年通りの賑わいの中で、本日を迎えております。  

 新年恒例のかのこ庵のお年賀品でございますが、いささか趣向を変えました。といいますか毎年タオルなどでは、面白くないと思い、それなりにお正月にふさわしい和菓子を差し上げていたのですが、今年は少し変えてみました。干支の馬が描かれました飴に「鎌倉五名水のひとつ、銭洗弁天宇賀福神社の『銭洗水』にて洗いました五縁玉」をお付けしたお年賀品をご用意いたしました。数に限りがございますので、ご希望の方は、お早目にご来店ください。千円以上お買い上げの方皆様にさし上げております。

 本年もうまく参りますよう、幸せが駈け込んできます様、ご祈念しての粗品でございますが、「こいつは春から縁起がいいわい」とお感じ頂ければ、かのこ庵も幸いでございます。

 元日午後、大護摩祈願(毎年なのですが)をして参りました。それなりに商売繁盛、そしてこちらの方が大切かもしれませんが無病息災を祈念させていただきました。いつ何があっても不思議ない、無理のきかなくなってきた我が身です。
 今年もとりあえずは新年を迎えられましたが、いつまで続くか、わかりません。「今日無事」を念頭に、仕事を続けるつもりです。
 
 
 
 
 天野佑吉様の「成長から成熟へ」でございます。                
 12月の初めに読了していたのですが、これは新年まで取っておいて書き込みすべきと思いました。昨年10月にご逝去なさってしまいましたが、その残されたお言葉は、これからの日本の国民として、大切なことは何かを教えてくれている、と確信いたします。  
 ですから新年の書評は又しても、引用が長くなりますがお許しください。ノーベル物理学賞受賞者であるデニス・ガボール氏の著書から「富が絶えず増加し続けてきた過去四分の一世紀の間、ほとんどの人々は指数関数的成長は無限にはつづけられないという、この明らかな事実を直視する勇気がなかった。」と引用なさっています。          
 成長社会から成熟社会への移行を、そして「脱成長」を天野様の穏やかな表情とは裏腹に私たちに迫っています。          
 又更に、シューマッハー様の言葉から「それにしても、『成長は善である』とは何たる言い草か。私たちの子供たちが成長するのなら至極結構なことであろうが、この私がいま突然、成長し始めようものなら、それはもう悲劇である。」。                 
 あとがきにあります。
 「学者でも研究者でもないぼくには、あまり確かなことは言えませんが、今はもう経済成長なんかにしがみついているときじゃない。原発の輸出で食いつなごうなんてことじゃなく、文明の書き換え作業にしっかり取りかかるときなんじゃないんでしょうか。     
 そう、引っ越しです。引っ越し先は言うまでもありません。経済力や軍事力で競いあうような国じゃない。
 文化力を大切にする『別品』の国です。」 
 お亡くなりになる2か月前の執筆でした。

 天野様のお言葉を思うとき、年末の株価にしても、年頭の新聞や、偉い方たちの発言から感じるのは、真逆のまさにパロデイーとでもいえる世の中なんだと、しみじみ感じます。そしてどこまでも楽天的な国民性をひしと感じます。 
 商いをするという立場から、従前は例えばあまりにリベラル的なことや、その逆になるようなことの発信は控えてきました。        
 しかし、もういいでしょう。
 この歳になったら「如何に自分が、気持ちよく仕事ができるかを一番に考える」、と昨年書きました。今年は思ったことを相手にも、皆様にも伝えていく。そう、ためらいを捨てることにしました。
 お読みくださる方が少なくなっても、それはそれでいいんじゃないでしょうか。このブログを立ち上げてから、沢山の方がお読みくださいました。自慢になりますが、この短期間での閲覧者数は、 和菓子屋のオッチャンの書き込みとしては、私自身驚いています。よく「これまでの来訪者」としてその数字を表示しているブログも随分と拝見しますが、正直、恐らく負けてはいないでしょう。       
 
 

 何れにいたしましても、新たな年の始まりです。
 なによりもお客様、そしてブログ上だけでの皆様にも何か少しでも良いことがございますよう心よりご祈念申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。

 オッと、書き損なうところでした。
先月初めに「栃ナビ(栃木県内の色々なお店を紹介しているネット上の会社)」のスタッフ3人が来店し「かのこ庵の『勝栗まんじゅう』」を取材に来ました。スナップの出来が気に入ったようでして、小さな冊子の中に、大きく写真が載ってしまいました。
 一月の特集記事としてお店が紹介されています。それにしても、今年も冒頭から、無料での記事ですから、ありがたいことで、おめでたい(オッチャンが)ことでございます。     
             


 

0 件のコメント:

コメントを投稿