2012年8月10日金曜日

「釣魚大全」開高健

 深夜、眠れぬままに、オリムピックを見るわけでなく、茫然としている己を、時に発見します。数日前までは、嫌いな単語ですが、熱帯夜にゴロゴロ、悶々としていた己を。
 しかし立秋の日を過ぎて以来、夜風は明らかに、時に優しく涼しい風が感じられるようにはなりました。が依然として、次から次へととめどなく想起される事柄の多さに、明らかに寝不足の日々です。寝酒は時に眠気を追い払ってしまいます。分かってはいるのですが、机の引き出しの奥に仕舞ってあるウイスキーをストレートでグビリ。この夏、いつもより減り方が少し早いのを実感しているオバカサンです。
 想起される事柄を書いても、単に大半はぼやきでございますので書きません。それよりも少しはぎらつく太陽を、ひと時、忘れさせてくれる(と私が思っている)海や川のお魚さん関連の話です。二つ取り上げますが、いささかなりとも涼感を感じていただければ、幸いです。
 

 開高先生の分厚い本ですが、「釣魚大全」なる書物がございますが、カラー版の内容見本として『釣りの心』というショートエッセー、これを先ずご紹介します。
 「『釣りの心』
 山であれ、海であれ、釣りの準備には何日もまえからとりかかる。ときには何週間も、何か月も以前からとりかかる。
しばしば一生夢想だけで終わることもある。男は夢を食べて育ち、夢を反芻しながら眼を閉じる。
 そうやって山や海へでかける。釣れるときもある。釣れないときもある。山の冷雨が背骨にしみこみ、海面の照りかえしが全身を焼く。かかったときの悦びと不安は一瞬にある。最初の一匹の最初の一撃にある。この一瞬のために千夜と一夜の待機があったのだ。
 釣れた魚が大きいか、小さいか。型がいいか、わるいか。
 寄生虫がついているか、いないか。よく戦ったか、どうか。
 そういう鑑賞や、評価は、この一瞬のずっとあとになって、頭と心と体にいろいろなものがもどってきてからのことである。
 恋、野心、闘争、放浪、友情、酒、そして死などとおなじように、釣りにもまた最良、最高、最善は一瞬にある。
 すべてのために一瞬
 一瞬のためにすべて」

 今は昔の話ですが、若き頃、海釣りが好きで、早朝、出船する舟で、潮風と、波しぶきを全身に浴びながら釣りを楽しみました。時には嵐状態の艀の船をつなぐための仕掛けに我が身を縛りつけ、黒鯛の57cmサイズを釣ったこともありました。近いうちに、孫を連れてでかけますか。
 
 

 「源氏物語、常夏の巻」からの抜粋ですが、
 『いと暑き日、東の釣殿にいで給ひて涼み給う。親しき殿上人あまた侍ひて、西川より奉れる鮎、近き川のいしぶしやうのもの、御前にて調じてまゐらす。』
 料理をつくるときに使用するのは包丁ですが、当時「包丁」とはうまく料理を作る人物のことを指したそうです。
 
 「和名抄」には「魚鳥ヲ料理スル者、之ヲ包丁ト云フ」とあります。どうでも良い話ですが。
 
 
 今は昔の話ですが、投網で鮎釣りをしたことも、鬼怒川の簗での小屋に泊り込み、たいして取れませんでしたが興じたこともありました。
 いずれも、暑さを忘れて時を過ごしたことだけは、しっかりと思い出せます。
 いささかなりとも、暑中お見舞いのカキコミになればと思ったのですが、相変わらずの独りよがりでございますね。
 自慢ではないのですが、私極めて小心者でして、いわゆる怪談話や、ホラー関係の映画や書き物は一切受け付けません。従いまして以上のような内容で、涼感を少し感じていただきましたでしょうか。
 まもなく盂蘭盆会、お盆様でございます。来週水曜日は本来定休日ですが、15日ということでかきいれどき、仕事でございます。「おはぎ」、「あんだんご」は12日から16日まで作ります。ご先祖様や黄泉の方となってしまった方のために是非とも、おいしい「おはぎ」などを上げてください。
 結局はご自分のお口に入るわけです。宜しかったらスーパーさんより高いかもしれませんが、一年中販売している商品ではありませんので、是非、美味しい物を、と書いて
このブログも少しの間、夏休みにします。8月20日(月)~から23日(水)までお店も休みとなります。あしからず。

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