2013年6月15日土曜日

「サラリーマン川柳・さんのせん」

 色々と、時実新子様や前田雀郎様の川柳を時々ご紹介してきましたが、忘れてました。身近にして、こんな楽しい川柳がありましたことを。私は、普段は新聞紙上での川柳欄を、概ね眺めておりましたが。
 新聞ではおもに時事川柳が主体でして、その時々の政治や、話題になっている事柄が中心になります。しかし、日本人の血脈には、遥か昔から和歌や、俳句そして川柳などに慣れ親しんできていたことが再認識させられます。五七五や、五七五七七は日本人の体内に、しっかりとDNAとして受け継がれているようです。
 「もののあわれ」と「をかし」は世界に誇れる感性だと言えます。

 第一生命さんが1987年から募集を開始し始め、昨年度にて26回目だそうです。3万句を超える応募があるそうでして、「さんのせん」(今年度、傑作選のタイトルです)に掲載されるには、相当な困難がございます。時流をつかみ、いかにウイットを、そしてサビを利かせた作品であるかが要求されます。
 選者には「やくみつる」さん、「島田駱舟(全日本川柳協会常任幹事)」さんと第一生命さんが選考にあたります。それにしても、
3万句から選び出すのも大変なことですね。

 それでは昨年応募がありました、三万句から選ばれし栄光のベスト5と思ったのですが、流石に素晴らしい作品ばかりでして、ベスト10を1位から順に、このブログで公表しちゃいます。

・いい夫婦今じゃどうでもいい夫婦    マッチ売りの老女
    (マッチ売りの・・・、これは雅号でして、情報保護の   
     ためもあり、作者のペンネームとなるそうです)
・電話口「何様ですか?」と聞く新人       吟華
・「辞めてやる!」会社にいいね!と返される  元課長
・風呂にいたムカデ叩けばツケマツゲ     おやじパニュパニュ
・ダルビッシュ一球だけで我が月給       ABNA48
・スッピンでプールに入り子が迷子       アジ
・人生にカーナビあれば楽なのに        元サラ
・すぐキレる妻よ見習えLED           忍耐夫
・ワイルドな妻を持つ俺女々しくて        あんこもち
・何かをね忘れたことは覚えてる        万華鏡

 いかがですか。誠に笑わされます、というか見につまされたりする方もおられるのでは?

 やくみつるさんが選んだ別枠での名句です。いくつか。






・近づけば受給年齢逃げてゆく     しんき・ろう・齢年金
・男まで化粧するから手が抜けぬ   脱ノミ二ケーション
・体重はゼロ減五増となりました      美マジョー
  

   昨年の流行語にもなりましたが、
・やめてやる酒もたばこも近いうち     どじょう君
 

  島田様の選からは
・凄いという漢字の中に妻が居る     鰆の佐助
・「近いうち」説明不能電子辞書        サラ川素人

 私には全く関係ございませんが、都議会議員選挙が
始まりまして、テレビはまた、賑やかになりました。
 
 番外編です。
・少子化も議員だけは数減らず       ウラヨミ
・党名を覚える前に投票日          後期高齢姿
・公約は貼っただけでは効きめなし     おくの細道

 どうも苦笑いの連続ですが、
・我が家では父の領土は寝床だけ     恐妻組合員
・宝くじ買っては見たが「た」ぬきだよ    大黒小柱
・年金がさめた夫婦をつなぎとめ      ほうせんか
・誰だっけあいさつしながら誰だっけ・・   「ド」忘れ
・食後には昔はデザート今、くすり      亭主淡白

 最後に昨年度の大賞の中から
・スマートフォン妻と同じで操れず      妻-とフォン
 

 これがラスト
・何気ない暮らしが何より宝物        考えボーイ
 

 しかし他人事ながら、これだけチョイスするだけでも大変でした。
 選者はお金になりますがね。
蒸し暑い日々となりました。今回は少し涼感を感じていただけたでしょうか

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