2013年7月5日金曜日

「藤城清治美術館」ぜひ、お出かけの程。

 時々小雨がパラつく、それ故、木々の緑がより引きたっていた、と言える那須高原での贅沢な一日を過ごしてきました。
 那須在住の栃高同級生S氏より、誘いを頂戴し、気分転換の意味をも込めまして、行ってきました。特に「藤城清治美術館」がオープン致しました。更に「実にうまいビールがあるよ」のダメ押しにて、これは朝寝を楽しんでいる時ではないとの直感です。

 以下、写真が多い書き込みになりますが、これでも相当割愛してのご紹介でございます。
 正直「このおっちゃんがメルヘンやて?」と、拝見するまではいささかためらいもございました。しかし、いやはや、何はともあれ心より、皆様に強くお勧め申し上げます。那須I・Cからさほど遠くない閑静な木々に深く囲まれた場所にございます。
 随分、全国の美術館を経巡ってきたと自負いたしますが、その佇まい、ロケーションの良さにまず感動です。
 藤城清治様はまもなく九十歳になられます。多少体調が万全とは言えませんが、その精力的な活動や、情熱には静かに頭を垂れさせられます。
東北の被災地を巡り、その惨状をキャンバスに残し、見事な希望の光を思わせてくれる、影絵に仕立ててくれました。それらの原画としての水彩画を含めた、数多くの影絵の作品群に感銘を受けます。更に、動く影絵の舞台裏の精緻な構成の仕組み。アトリエの再現と、現実の製作過程や、使用中の材料まで展示してあり、その表現力と感性に圧倒されます。
 かなり混雑しておりましたが、当然ですか。夏休みにはさらに入館者が増えるだろう、と十分想像できます。その辺を外して是非ご鑑賞のほど!

 さて、次はご紹介すべきかどうか迷いました。 
 実に落ち着いた素敵なポイントなのですが、あまり賑わっては欲しくない、隠しておきたい場所と言えます。個人としては何とも大切にしたき、秘密の隠れ家のような場所であってほしいと願うからです。面倒だからではなく、その意図がありますので、あえて詳細を省いて写真の羅列でお許しください。
 ただし、一言。5種類のビールをテイステイングするかの如く、小ぶりのグラスでの飲み比べ。ビールの持つ、本来の奥深さを再認識いたしました。
 この場をお借りして、改めてS氏に御礼申し上げます。
 そして更に加えるならば、マイナスイオンのおかげですか、やっと活力を取り戻した気が致します。
 

 右からの写真は、国指定、重要文化財となっております「青木家那須別邸」でございます 。  
 以前、こちらからはそう遠くない所に「山縣有朋別邸」があり、訪問したことがございました。
 激動の明治時代、日本を代表する外交家として、ドイツ公使等を歴任し活躍した人物のお屋敷跡です。
 ま、私と比べても仕方ないのですが、スケールの違いに驚きます。広大な敷地に、実にバランスよく配置された樹木があります。
 建物正面前に続く杉並木。流鏑馬でも出来そうな長さがあり、霧雨状態の中、幽玄なる世界を感じます。
 誠に栃木県には、那須に限らず素晴らしいポイントがたくさんあります。富士山を登るのに行列をしてまでの混雑は、日本人の特性かもしれません。あまりの混雑は、ここ那須においては逆効果化もしれません。が、それにしても栃木県民でさえよくは知らない素晴らしい(私も初めて知った訳です)場所が存在することを、アピールすることが足りなすぎますかね。

 こんなことを言ってはなんですが、栃木市にも「歌麿」以外に悠久の歴史が存在しています。これは行政の問題かもしれませんが、最近お客様から出る話題の一つに「栃木市の文化度の低さ」がございます。県北の芦野地方での発掘調査。東日本に於ける、一千年以上前の主要な街道として「東山道」があります。未だ古墳群を含めて、発掘調査研究が続けられています。下野国庁社跡が残る栃木市には、発掘すべき遺跡、古墳が未だ散在しているのです。しかしそれらは全て、おそらく話題になることすらないでしょう。
折角のいい気分が、ぶち壊しになりますね。ここまでにします。

 


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