2013年4月25日木曜日

「もののあはれ」と日本の美、サントリー美術館

 昨日、悩んだのですが結構風雨も強いものがありましたので、暫くぶりで車にて、東京は六本木にございます「サントリー美術館」の特別企画展を拝見してまいりました。
 「『もののあはれ』と日本の美」という平安時代の絵巻物を中心に、近現代、鏑木清方の作品などが、静かにしかし圧倒的な美しさと日本人の心に流れる「感性」を思い出させてくれる企画展でございました。
 「古今和歌集」や「源氏物語」に代表される「もののあはれ」。
 本居宣長が生涯追い続けた日本人の心性、感性の豊かさを再認識します。『心動く瞬間(とき)。名品でたどる叙情の系譜』とサブタイトルが付けられたおりました。工芸品を含めて国宝や重文の逸品が次から次へと展示されております。
 誠に日本人の繊細なる物の見方が素晴らしく、大きな誇りを持てる、それを再認識させてくれる企画展でした。
 岩佐又兵衛作の「官女寒菊図」は、六条御息所が都を去りゆく場面をモチーフに描かれたようですが、想像よりもかなり大きな作品でした。その白描画の細やかさはお好きな方にはたまらない逸品、と記しておきます。
 美術館館長の石田学芸部長さんは、「宮廷生活をめぐる貴族の生活の中で洗練されてきた感覚。その源流は平安時代に遡る」と仰っておりますが、その時代に興味を強く抱く者には、たまらないお言葉でございます。6月16日までの開催でございます。庵主、お薦めの展覧会と申し上げます。

 ところで、このサントリー美術館は、六本木の東京ミッドタウン三階にございます。このミッドタウンは本日二十五日がニューステージのオープンだそうでして、新規オープンが32店舗、リニューアルオープンが10店舗。2007年の開業以来、最大の進化を遂げた、とのことでして、ショッピングの快楽を十分にご堪能ください。と華々しいものがありました。
 そのため、開店準備に追われるお店や、内覧会を実施しているお店も数多く、通路は開店祝いの花、花、花でございました。
 関係なきことながら、何となくつられまして、こちらまでうきうきとさせられてしまいました。 
 同じ三階に、御茶の水にございます「山の上ホテル」が出店してまして、こちらの天ぷらは特に有名なのですが、「天ぷら・山の上」との名称でなかなかな雰囲気の中、ございます。しかし、ちょっとではなくお安くはございませんが、暫しのひと時、贅沢をしてまいりました。何しろ写真の天丼が三千円以上致します。ま、こんな時におあしの事を言っちゃあいけませんやね。
 
 折角の車での東京でございましたので、帰りに新装なった東京駅を拝見し、八重洲口に回り、大丸デパートの食品街、銘店街を見てきましたが、実に疲れました。こちらのお話は次回でございます。ここで書いておかねばならぬ「ならぬものはならぬ」話があるのでございます。

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