2011年9月30日金曜日

「飲んでほし、止めてもほしい酒をつぎ」麻生葦乃(あそうよしの)

「川柳六大家」の一人として、昭和史を飾った「麻生路朗」氏の奥様、「葦乃」様の
作品です。六名の中には「前田雀郎」先生も含まれますが、「路朗」様の作品には
「酒とろりとろりと大空のこころかも」という作品も残っています。
私は普段、日本酒はお正月くらいしか嗜みませんが、いや、呑まないわけではなく
通常はウイスキー又は焼酎を、いささかひと様より余計に嗜んでいる方です。
いわゆるアルコールの類が美味しい季節になってきました。
時にはワインもよろしい様で、特に、外で飲む時はどうもいけません。
やや、ウイスキーとか、度数の強い系を好みます。
従って(?)、次の日の午前中が少々辛い、ということになります。
分かってはいるのですが、それでいて呑みすぎてしまいます。
翌朝は忙しいんだと分かっていても、いけません。
若くはないのに。

「考えて
考えて
呑みはじめたる
一合の
二合の酒の
秋の黄昏」  となります。
ところで、この詩を、酔うと、時々適当なその場にある紙に書き付けます。
あんまり好い飲み士ではないのかもしれませんが、この作者が誰なのか、思い出せなくて、いつも悩んでいます。
どなたか御存知でしたらお教え下さい。

作者名は略させてもらいますが、
「そんなこと言ったか酔いの恐ろしさ」 お金の話ではなく、男女間の事となると、
一寸、一波乱ありそうな川柳です。「のめりこめばしんどい愛を振り分ける」。

「ジンフィズがあやまちのそのはじめ」 なんていうのもあります。
とかく、カクテル系は呑みやすいのですが、アルコール度数がやや強めですので
ご注意をと、年寄りが申しております。
その年寄りが好きな、昔の女優(知らないでしょうねー、知っていましたら貴方は相当にマニアックです)の写真をアップしちゃいます。このブログの読み手が減るでしょうねー。ま、いいか。

ここまで書いてきたら、止められなくなりました。
「時実新子」さんの川柳は、ちょっと男心には怖い作品が多いのですが、又、実に凄艶なとでも言うべきものもあります。その中から穏やかな、でもユウモアを感じさせてくれる(これが川柳の良いところですが)私が気に入った作品をご紹介します。
「何だ何だと大きな月が昇りくる」
秋の名月かと思いますが、お月様がぬうっと昇って来る様子は、「何だ、何だ」といいたそうな顔をしているとは、流石です。
では少しドキッとする時実様の作品をもう一つ。
「西洋の男に抱かれ脱げる靴」   

いやはや、どうも、という、昨晩の酒が
少し残りし今日のカキコミとなってしまった様です。
新作の和菓子の話は次回にさせてください。
穏やかな、自宅前の巴波川風景です。

2011年9月25日日曜日

「彼岸会」

何事も加齢のせいにしてはいけないのですが、いささか訳知り顔にて、講釈が増えていますこと、又、くどくなっておりますこと、お許し下さい。
お彼岸は、和菓子店にはかき入れ時でございますが、お彼岸の中日と、お寺様のお施餓鬼のための「お供物」としてのお饅頭のご注文を何とか無事にこなすことが出来ました。お寺様のご注文だけで約三千個ほどのお饅頭が出ました。
20日が彼岸の入りでしたが、今ひとつさえないなあと、そして、翌日は台風が直撃し北上して行きましたので、一日休みというか、パスという状態でした。作るほうは目一杯でございましたが、それでも22日から俄然お客様の出足が良くなりまして、結果として昨年を上回って今日のお施餓鬼の納品が午前中に終了という次第です。
誠に、有難うございました。

「彼岸会」とは春分、秋分の日を中日とし、その前後各三日を合わせた七日間を指します。彼岸というのは、煩悩を脱した悟りの境地のことをそう呼びます。
黄泉の世界に居られるご先祖様などのことですが、私達、煩悩や迷いに満ち溢れているこの世を「此岸(しがん)」といいます。
今年は過去に類例を見ないといっても過言ではない、突然の不慮の災難に遭われて、お亡くなりになった方が沢山いらっしゃいます。
お彼岸の法要は浄土思想に添い結びつけて説明されます。浄土思想において信じられている極楽浄土へと旅立たれた、ということですが、心より、そうあってほしいと思います。老若男女に関わらず、突然にそのお命を絶たれてしまわれた訳ですが、現世への思いはいかばかりか・・・。
それぞれに沢山の思いを残したことが有るはずと思います。此岸に住いせし私達には、合掌してせめてご冥福をお祈りせねばと、強く思う今年の秋彼岸です。

昨晩、孫を連れて、皆川城内町での「城山祭」に行ってきました。

町内の方のご努力にて、皆川城跡地の山肌にとても沢山のぼんぼりが飾られており、その美しさの前に、荘厳なる物を感じさせられました。
昔の栃木町を統べられた 「皆川家」が居城とした通称「ほらがい城」という山城の斜面の明かりは、東日本において被災され、又、亡くなられた方への鎮魂の思いが込められていました。

どうも夜間の撮影は下手でして、ぼんぼりの雰囲気とその数は判りづらい写真かと反省してますが、とりあえずご覧ください。
以前にご紹介したことのある「満福寺」様に今朝、お届けにあがりました際、ご住職から御本堂内の撮影を許されました。檀家さんで無ければ拝見することはちょっと難しいと存じますので、あえて、いっぺんに沢山の写真をご紹介します。
ご本尊両脇の曼荼羅図は、名のある方の直筆によって、こちらの御本堂のために描かれた誠に、名品にして、力作そのものでございます。その他、それぞれに御住職のこだわりが有りまして、しかし凡庸なる、煩悩ばかりの我が身では下手な又、真の意味をお伝えできるか心もとなく、解説は略させていただきます。ひとつだけ、ご本堂に通じる廊下に掲げられた書、外の御本堂の正面の扁額の書は共に、知る人ぞ知る「松岡正剛」様のお書きになられたものでございます。
明日が彼岸の明けとなります。ふさわしい写真ばかりをアップいたしました、と、本人は思っています。
ついでといっては申し訳ないのですが、昨年のすすき狩りの時の種がお店の角に落ちたのでしょう。丁度良い具合に穂が出てきましたので、ご覧ください。
併せて、駐車場のコスモスです。

2011年9月22日木曜日

「髪解けば 胸ほぐれゆく 秋桜」古河まりこ

今年の天変地異には、ほとほと、うんざりさせられます。
昨日は一日中土砂降りと強い風でした。私の自宅の前は、巴波川が流れています。
住みはじめて35年が経過いたしましたが、今回初めて夜7時過ぎに避難勧告が出されました。慌てて外に出てみると、凄まじい流れとなっていましたが、流れが溢れ出るにはまだ50cm程ゆとりがありました。この川は昔は常に氾濫した、ということを今はもう、お亡くなりになりましたが、お隣の長老から教えられていました。しかし、大掛かりな河川の工事があり、それ以来、川べりにそびえていた大木が倒れたことが何回かありましたが、堤を超えてのいわゆる氾濫はなくなりました。
この川の出発点は、平安時代に詠まれた歌枕の地としてごく一部(?)では有名な「しめじが原」地帯となりますが、自宅から3~4キロ上流になります。ということは、栃木市西北部の山深い所から流れてくるわけでは有りませんので、雨が止めば心配はなくなります。
そんな訳で避難はしませんでしたが、驚きました。
それにしても被害にあわれた方が大勢いらっしゃいます。お見舞い申し上げますが、困った日本列島です。

秋の新作、上生菓子ができました。菓名は「菊の宿」となずけましたが、食用の菊の
花びらが葛の中で泳いでいます。写真はちょっと待って下さい。
十月になったら正式にご紹介いたします。

かのこ庵の駐車場の秋桜、つまりコスモスが咲き始めました。
台風一過、秋晴れの中で写真をと思ったのですが、お彼岸中にて、多忙をきわめています。さー写真をと、思ったらどうしたというお天気なのでしょう。
午後はずうっと、雨が降っています。早朝はうろこ雲が流れて、あー秋だぞ、という、いい気持ちにさせられていたのですが、残念です。

タイトルの俳句、なかなかいいでしょう。  では又。

2011年9月20日火曜日

荒れ模様のお彼岸です。

困った天気が続いています。
暑すぎた夏も漸く、かと思ったら、台風の接近で一日中雨が結構、激しく降っています。
そしてこの時間は涼しすぎて、一枚ジャケットを羽織りました。
お墓参りも一寸、難儀なことと、ご想像申し上げます。
お蔭様で、この時期は、かのこ庵の繁忙期でして昨年ほどでは有りませんが、彼岸の入りとしてはまずまずかなという数字です。

実は、とてつもなく(自称です)新製品のグッドなアイデアが、数日前に浮かびまして、いつもの商品を作りながら、又、自室のベッドの中で悶々としながら、構想をまとめているところです。完成いたしましたら、勿論、ホームページにてご紹介いたしますが、なかなかにグッドではないかいな、と確信しています。従いまして書かねばならないこともあるのですが、本日はここまで。

では、申し訳ないので(誰に?)何枚か
写真を添えておきます。
自宅の青瓢箪と、
今頃満開の朝顔、
何故かどんどん伸びて花を
一杯付けた、かのこ庵駐車場のおじぎ草です。


2011年9月16日金曜日

「寝待月」とは今夜のお月様の呼び名です。

 又しても、お月様に関する雑学を披瀝してます。 何しろ「名月や」の夜が続いておりまして、昨夜は丁度、自室の窓の正面から月光が差し込んでおり、「ムーンライトセレナーデ」か「ベートーベンの月光」状態でございました。
昨夜の十時頃のお月様をご覧になった方はお分かりかと存じますが、お月様の
すぐ下に木星が輝いておりまして、しかも月に負けない明るさで自己主張をしておりました。
それではと、早速に天体望遠鏡を向けまして拝見いたしました。
木星の衛星たちが、横一列に並んでいるのがはっきりと確認できました。
しかし、安い天体望遠鏡ですので焦点を合わせるのが苦労の種ですが、結構楽しめました。
宇宙に関することには少々、うるさいのです。相変わらず、趣味の範囲が広すぎますかね。BGMにグレン・グールド様がぴったりとマッチしておりました。

ところで12日が十五夜でしたが、次の日の夜が十六夜、続けて、立待月、居待月、昨晩が寝待月、今夜は更待月と昔から呼ばれてきました。なんとも、月を愛でるのに相応しい、そして時間の流れをも感じさせてくれる、名前を付けていただいたもんだなーと、素直に喜びに似たものを感じてしまいます。

お月様の昇って来る時間に合わせて、立って待つ、座って待つ、寝そべって待つ、更に横になって月が昇って来るのを待つなんて名前を付けて楽しむ。これを風流というか、雅というべき事と勝手に感じ入っております。

以上の事だけをカキコミたくて、本日のブログを立ち上げてしまいました。

それにしても、かのこ庵のヒット商品「芋ようかん」は新芋で先週から販売を再開しましたが、十五夜を「芋名月」、十三夜を「栗名月」とも呼びます。しつこいですかね。
でも、間もなく、新栗での「栗蒸しようかん」の製造が開始されます。
本当に、日本という国に四季があることを和菓子店として「感謝、感謝」申し上げます。

2011年9月15日木曜日

十月九日(日)は十三夜です。

少し、ご案内が早過ぎるかとも思いましたが、日にちだけは先にご紹介しておくべきと感じまして、カキコミします。といいますのは、今年の十五夜は、今週の月曜日でしたが、晴天が続いたせいか毎晩、実にすっきりとした名月をほぼ一週間は楽しめました。
お蔭様でその為と思われますが、お月見だんごの売れ行きが良すぎまして、昨年より二割も伸びました。かのこ庵のお月見だんごは、あん入りとあんなしがあるのですが、午後一時にはあんなしが、四時半にはあん入りが、後から急いで作った分を含めても、完売してしまい、結局いつもより大幅に営業時間を短縮して、閉店させてもらいました。

夕方、お見えのお客様には大変ご迷惑をおかけしました。しかし、誠に有難うございました。

前回、十五夜についてカキコミをしましたが、書こうかな、どうしようかなと悩んだ
点がございます。大した事ではないのですが、次回というか、済んでからにしよう
ということで、今回となりましたが、じつは、というほど本当に大したことではないの
ですが、当日(9ー12)は仏滅でした。
気になさる方は結構気になされます。ただし、実は昨年も、いやもっと以前から、
十五夜は必ずいつでも、そして来年からもずーっと仏滅なのです。
ちなみに、十三夜はいつでも先負となります。 暦、特に旧暦に興味のある方なら、どうしてそうなるかはよくご存知かと思います。六曜(大安、仏滅・・・)ゆへの事なんです。詳しくはネット上で、例えば、十五夜とか、六曜とか、旧暦とかを検索すると
いくらでも出てきます。マニアックな話かと普通は思いますが、さにあらず、調べて
いる方が沢山おります。そして結局は、この日はよい日だとかはあまり関係ないということです。土御門、高島易断、古くは安政雑書万歴大成などの吉凶判断等があり
ますが、それぞれだということを記しておきます。

しかし、商いの話に戻りますが、売れるときに売らないといかんなあと痛切に今回は思いました。翌日の売上げは散々でございました。 
コスモスも咲いています。大平町に半ば仕事があり、昨日いってきました。
その途中での風景写真です。蓮の花の先に見える紫色の花は、「ほていあおい」
という名の花ですが、休耕田かと思われる広い場所一面に見事に咲いてました。
それでも、もう終わりに近いそうで半分は刈り取ってしまった、とのことです。


東武電車の車窓からは素晴らしく見えたことでしょうね。

2011年9月11日日曜日

九月十二日は十五夜様です。

今年は例年より少し早く十五夜様が、つまり明日は満月となります。 
この所、お天気が安定しているため、毎晩、名月が楽しめています。

中秋の名月とは、秋ど真ん中の月と言うことですが、本来は陰暦での八月十五日をさします。
昔はもう少し涼しかったのかもしれませんが、今年は暑さの残る中での名月です。
しかし、この月の、この月の位置がやはり一番素敵だ、とはどなたもお感じになると思います。京都の慈照寺銀閣寺はこの月を愛でるために建てられた、と言われています。中秋の名月が姿を現してから、没するまで、どのポジションで眺めるべきか、実によく、検討に検討を重ねて建てられています。
銀閣寺の前面にある池の中央部に、小さな小島があります。銀閣寺の2階の窓からこの池に映る満月を眺めていると、特定の時間に、この小島にすっぽりと名月が、隠れる仕掛けになっていまして、月のダイヤモンドリング状態になるという次第です。   
更に月は昇り、屋根の廂をこえると、急いで渡り廊下に向かい月を眺めます。
京都を囲む山並みに隠れるまで、昔の人は月を愛でた、という話です。
優雅というか、これぞ雅の世界でございますねー。
私が実際に見たわけではありませんが、嘘では有りません。
今朝、一仕事終えてから、すすき狩りをしてきました。毎年、お月見だんごをご予約下さったお客様に、街中で、すすきを取りにいけない方のためにサービスで差し上げるための私の年中行事なのです。一度やりましたら、お客様がそのお積りでご来店下さいますので止められなくなってしまったという訳です。
ちょっと、今朝は汗をかいてしまいました。なぜなら、ススキの葉は素肌ですと先ず細かい傷だらけになってしまいます。ですから、軍手に長袖、長靴は必需品となります。

暑うございました。
上の写真はその場所の物ですが、意地悪ではなく、場所はお教えできません。それ程、素敵なススキが咲いている場所はそうはないのです。

何事も簡単にはお金儲けにはならないという見本のような話です。
例年ですと、このすすきをとってくる場所の近くに
コスモスの群生地がありました。
何故か、今年は一本も見つけられませんでした。
今年はまだ少し早すぎたのかもしれません。
お店の前に早速飾りましたが、少しは秋の風情を
感じていただけましたでしょうか。

すすき狩りの近くに咲いていた、名前はわかりませんが、一寸可愛くて、可憐さを感じさせてくれるお花をパチリ、でございます。

しかし、結構、忙しい中よく動きまわっています。いまだ若いということにしましょう。

市内の異業種ながら物を作るという一点で時々集まるメンバーの中心的立場にて
時に飲み会を開いたりしていました。業種は異なっても通じる物があるのですが、
このメンバーによる「コラボなイベント」を企画、進行中です。場所というかギャラリーは、懇篤な方(栃木グランドホテルの若林社長です)の援助があり確保できました。
いささかなりとも多少の売上げアップを、そして少しは街おこしの起爆剤にならないかという目論見です。
会の名称、内容等の紹介はもう少し煮詰まってからにいたします。
ただ、それぞれの仕事上の上得意様を対象にした、極めて、素敵なイベントとなる予定です。失礼ながら、私が絡んだ話でございますので。
詳細は近日中に発表します。