2011年4月21日木曜日

丸い形の柏餅は、柏餅ではない

 昨日は定休日でしたので、宇都宮や、上三川のショッピングセンターを中心にマーケテイング・リサーチをしてきました。  一人で。
 まず、何が言いたいか! (気色ばむほどの事では無いのですが)
 どうして、どのテナントも、一寸大きな和菓子屋さんも「柏餅」のお餅はまん丸なのでしょうか?
 これでは「かのこ庵」の「かしわ餅」は丸くはないですから、知らない人は「ふざけた柏餅ね」と
思われそうです。丸が常識、いわゆるはまぐり型が非常識となりそうです。あるS.Cに出店しているお店では、大きなポスターに柏餅の写真を掲示して販売していましたが、こしあん、粒あん、味噌あんの三種類を柏餅の柏の葉から少しずらして、というか、少し前にお餅を出してみせていました。

 柏餅は男子の祝い菓子です。男の子の健やかな成長と、昔は出世を願ったでしょうか、
つまり、この形は侍大将になることを願って「兜」の形を模して作られ始めたのです。和菓子屋の常識です。
それぞれのお店の職人さんたちが、自分はこの形が手になじんでいるということで、必ずしも全てが同一形ではありませんが(とはいえ大体似ています)、何グラムとして目方を決めて、お餅を小判型に伸ばし、そこにあんこを乗せて、閉じるようにあの形、この形にしていくわけです。
 つまり、機械で作ると丸い柏餅になってしまうわけですね。おまんじゅうもそうですが、機会で作られますと、生地の中にある気泡(空気)が押しつぶされてしまいます。昔、私が工場長をしていた埼玉県の菓子店では、当時二十店近くあり、5月4日の日は夕方から徹夜で何万個という数の柏餅を全て手作りで作りました。なぜなら、同じグラムでも機械で作ったものとでは、勿論、見た目も味も、そして何よりも、大きさが微妙にちがうのです。手で作ると生地の中の空気が残りますが、機械はすりつぶしてしまうからなのです。かのこ庵も一時は機械に頼ったときも有りましたが、時代が違うとはいえ、丸い柏餅でも結構ですけど、お願いします。せめて写真の中の柏餅くらいは、お餅を少しだけ見せるようにし、つまり柏葉から少しだけお餅が見えている状態にして下さい。
 この業界に限らないでしょうが、職人の必要とされる商いでは、それぞれの仕事にプライドというか、当然の「矜持」というものがあるはずです。機械でポコポコ造る、楽をするとこういうことになるよという典型です。ついでに書くなら、そのお店の柏餅「味噌あん」のお餅はピンクの色で、かのこ庵と
同じですが、細かい表示がなされているわりには、着色料の表示が抜けていました。こんなこと書くのは意地悪でしょうかね。
 
 随分長々と説教めいたことを書きました。
 でも、お菓子のいわれや、よって立つところを書いていくのも、このブログの一つの使命でもあると思い、まだまだカキコミします。





 かのこ庵の店の内外に飾ってある花は、その殆どがこのたび、栃木駅前に移転した「花龍」さんから調達しています。いささか中年の渋みを感じさせるアレンジメントフラワーが得意な店長さんのいるちょっと他店には無い花が置いてある、かのこ庵一押しの花屋さんです。移転してまだ間もないため紹介が遅れました。元、福田屋デパートの立体駐車場前で営業していましたから、ご存知の方も多いはずです。
昨晩、買い求めた「木苺」の花です。実がなりますでしょうか?

1 件のコメント: