2011年7月29日金曜日

「柏木」 源氏物語より

夕立や時に雷を交える日が、もう何日も続いています。
昨日、今日と随分と長雨が、その割りに晴れ間も有ったりして、なんともすっきりしない日々が続いています。いささか涼しいのはよいのですが、逆に夏風邪を引いてしまいました。遠因がありまして、水曜の定休日に、我が家の庭のちょっと大き目の水木に毛虫が発生し、鋸で主な枝を切り落としました。随分とすっきりはしたのですが、その枝を更に細分化し、一斗缶の空き缶で燃やしました。丁度晴れてもいて、始まると徹底的に綺麗に燃やし尽くす性質でして、かなりの
大汗をかきました。
途中でめまいがし、急いで水分を補給したりしたのですが、歳ですか、いささか疲れが残って
しまいました。朝のうちだけ仕事を何とかこなし、自宅のベッドで休養を取りました。漸く今現在は何とか治まってきたようです。時々目覚めては活字を拾っていたのですが、そこで読みかけだった、「王朝貴族物語」山口博著を又、眠れるようにと開いていたのですが(失礼)、源氏物語の時代を、貴族たちの日常を、色々と教えて下さいました。その中で「柏木」の極めていけない恋というか、行為をなんとも深くは気付いていなっかた自分を知りました。まだまだ勉強せねばと。

「柏木」はこともあろうに光源氏の「女三宮」に恋焦がれてしまいます。光源氏四十歳(今で言うなら還暦に近いと言えます)、三宮十四、五歳の頃のことです。随分とおおらかな時代であり、幾多の姦通、淫行、近親相姦が許容された時代と認識していましたが(話の途中ですが、だから君はその時代がうらやましくて調べていたのだな、とは、いささか考えすぎです、コホン)、手を出してはいけない相手もあるのです。在原業平の高子との姦淫も同じです。ところで、随分と君は暇なんだねといわれそうですが、この本の中から、「柏木」の段の締め括り方が気に入りましたので、一部をご紹介します。
少し長くなりますが、興味の無い方は見過ごしして下さって結構です。

「『源氏物語絵巻』の柏木巻の絵は、瀕死の床にある柏木と彼を見舞う夕霧を描く。
山水を描いた美しい大和絵の屏風と襖、控える女房の色とりどりの衣装、全体が実に
色鮮やかであるのだが、そのことが一層柏木の死を哀れにしている。
華麗な生活を送りながら、不倫によって崩れさる男、まさにセックスの暴力に振り回された
男の生涯であった。
柏木は権大納言という高官であり、父は先の太政大臣。柏木が将来大臣になることは確実に
約束されている。生きがいの一つの、官位の点では人もうらやむ絶頂を極めえるはずである。
だが作者は、女という面で柏木を崩壊させた。
繁栄の陰の苦悩と崩壊、そこに物語の面白さがあるのだ。喜びの中の悲しみを、安らかさの
なかの悩みを、透明さの中の生臭さを、純愛の中の不倫を、信頼のなかの裏切りを、繁栄の
中の崩壊を、血と汗とスペルマの臭い、それらを「源氏物語」は描く。現代の読者を満足させて
くれるのは、その点である。柏木の危険な情事に、読者は思わずため息をつくのである。」

さて、中途半端が一番いけません。雨のち、曇りのち、晴のち、雷雨なんて日が続いては、商売に影響無しとは参りません。大道で、あの寅さんのようにお天気に左右されそうもない和菓子屋ですが、そうでもなくて、結構、客数に現れます。勿論、大雨ではいけません。今日も店の前を通過する車の数はいつもより明らかに少ないのです。やむを得ませんか。それにしても雨足が又、強くなってまいりました。今日はこれにてお店も閉店と致します。自転車通勤も休みます。
 


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