2012年10月18日木曜日

「第十五回藤原実方朝臣墓前献詠会」

 嗚呼、なんて阿呆な親父だ。と笑ってやってください。
 昨日は定休日でしたのに早起きしまして、宮城県は名取市まで出かけてまいりました。以前からカキコミしておりましたので、ご承知の方も多いと思いますが、「藤原実方朝臣墓前献詠会」のご案内をいただいておりましたので、日にちも良し、エイや、てな思い、での旅となりました。写真は秋空の名取駅西口です。
 しかしあほな話です。いただいた案内書は一昨年の昨日(十月十七日)の案内状でした。よく見ればわかるのですが、開催年が平成22年となっておりまして、毎年、十月の第三日曜日に開くのだそうでございます。以前に拙著を寄贈したことに対し、名取市長様から感謝状のお手紙も頂戴しておりましたことと、今回ご案内頂いた方が、実行委員さんをなさっていらっしゃるのにそのお名前を失念しておりまして、名取市の市長室秘書課の女性の方と二度ほどお電話にてやり取りを致しました。しかし、肝心なところがすっぽりと抜け落ちたまま、出かけてしまいました。
 午前九時半に名取駅西口前よりマイクロバスが出ますので、それに間に合うようお出掛けください、とのことでした。
 当然ですよね。九時四十五分まで待ちましたが、バスなんか来るわけありません。おかしいなあ、と思いつつタクシーにてお墓に向かいました。当然ですよねー。人一人、誰も居りませんでして、案内状をもう一度よく見て気付いた、てな次第です。
 がっくり墓前でうなだれちゃいました。そもそも、この種のイベントは通常日曜日に開催される訳ですよね。ただ、てっきり実方中将のご命日に開催するんだと、一人合点していたのです。
 でもこれで二度目の墓参となりましたが、前回は手ぶらで訪れてしまいましたので、あまりにも静かな秋晴れの中、準備していったお花とお菓子をお供えし手を合わせてきました。これはこれでいいんだ、と納得させまして。
 秘書課の女性にどじな話とタクシーの手配をお願いいたしました。それはそれは、ということで「どうか市役所にお立ち寄りください」との事でして、応接室の人となりました。秘書課の渡辺様、教育委員会の佐伯課長様、お忙しいでしょうに太田副市長様までご同席くださいまして、間抜けなオッチャン振りを披露してまいりました。震災のお見舞いを申し上げ、実方の話題に少し触れまして、汗顔の中、渡辺様が大通りまでお見送りいただきながらの、退出でございます。
 実は今回お伺いする前から決めていたのですが、名取市に三代続く老舗の和菓子店「たこうや」様がございます。 
 綺麗な素敵なお店でした。かのこ庵は負けています。
 「実方まんじゅう」が有名でして、これも何かのご縁、と感じ訪れてみました。社長様は残念ながら外出中との事で、奥様とお話しをしてまいりました。
 外壁が剥がれ落ちたそうですが、思ったほどには被害は少なかったそうです。それよりも「電気も、テレビは勿論、電話も何も連絡が取れず、本当の名取市の被害状況がわからない日が続いたのに困りました」。数日して、仙台在住の娘さんがおにぎりを食べながら徒歩で、無事を確認に来てくれたそうです。そしてぼんやりしている私たちに「ある物、作れる品を作り本当の被害者にお配りし、こんなときだからこそお店を開くべき」との説得に目が覚めました。
 という話には正直、鼻の奥がキナ臭くなりました。

 斯様な次第で予定よりも早く墓参も済んでしまいましたので、仙台市にて歯科医院を開業している同級生と昼食を共にし、早々に帰ってまいりました。
 今回の事はカキコムかどうするか、昨晩はかなり悩んだのですが、どちらにしても「阿呆なオッチャン」は私の一つの売り(?)にもなっとるや無いかと思い書きました。
 笑ってやってください。
 でも被災地の現状は、あの時からそれ程には回復していないし、何よりも心的外傷はそう簡単に消えることない大変な現況であることも、併せてご報告しておきます。今回お会いした方たちは皆様とてもよい方ばかりでした。何一つ、そのご苦労を強く訴えてくださった訳ではありませんが、逆にそのことが心に強く残りましたドジな、旅でございました。 
 

 丸谷才一先生が八十七歳にてお亡くなりになりました。
 
 十六日の「天声人語」にはその「濃密な『余生』を完結させた」とありました。更に文中、山口瞳先生の名前も出てまいりますが、私二度、拝見しており、一度は山口先生を偲ぶ会でのスピ-チをお聞きしました。「本音を語って、誰も傷つけない、スピーチの名人」と書いてありましたが、その通りでした。お歳を考慮すれば止むを得ないのかもしれませんが誠に残念です。

 ところで、このブログの閲覧者がかなり以前に一万人を突破しております。恥ずかしながら誠に、今回の如きことまで書いております。一年ちょっとでのこの手のブログとしては素晴らしいことだそうでして、実は名古屋に熱心な読者がおり、必ずチエックをしてくれていることを教えてくれる方が居りました。嬉しくも、冷や汗ものでもございます。
 日々研鑽、には少し歳を取ってしまいましたが、これからも宜しくお付き合いください。

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